Q&A集

目次

  1. 訓練の基礎知識
  2. 訓練方法
  3. グルーピング
  4. 介助方法
  5. ADL変動時の対応
  6. 書類作成

1訓練の基礎知識

Q.1訓練時の基本的な姿勢は?

A. 椅子の背もたれから背中を離して背筋を伸ばし両足を肩幅に広げ地面にしっかりとつける。

Q.2ストレッチの時間の目安は?

A. 10秒間を基本とする。

Q.31つの運動回数の目安は?

A. 10回を基本とする。

Q.4動かすスピードの目安は?

A. 基本的に運動はゆっくりと動かすことで効果が高くなる。1カウントを2~3秒かけて行う。

Q.5どの程度動かせばいいのか?

A. 可動範囲いっぱいに動かす。

Q.6かけ声はどうのようにすればいいのか?

A. リズムよく大きな声ではきはきと行う。利用者と目を合わせることも意識する。また利用者にも一緒に回数を数えてもらうことで血圧の急上昇を予防するとともに、筋力発揮の増大を狙うことができる。

Q.7訓練時の呼吸はどのようにすればいいのか?

A. 原則、力を入れるタイミングで息を吐く、力を抜くタイミングで息を吸う。

Q.8バイタルサインによる訓練可否の目安は?

A. 熱発(38℃以上)、血圧(収縮期 180 以上、拡張期 120 以上)、脈拍(1分間に120以上または50回以下、10回以上の不整脈)、SpO2(90%以下)の異常がみられた場合、再度測定し改善がみられるまで訓練は行わない。詳細は別紙【機能訓練中止基準】を参照。

Q.9訓練のタイミングで注意すべき点は?

A. 入浴直後の場合、水分摂取後に行う。疲労が強い場合は間隔を空けて再度声掛けをする。レクリエーションなど、あらかじめ行うイベントや作業がある場合、その時間を避ける。

Q.10行うべき訓練の順番は?

A. 基本的には準備運動(深呼吸やストレッチ)、機能向上トレーニング(筋力強化、バランス)、動作訓練(起立、歩行)の順番で行う。

Q.11履物の注意点はあるか?

A. 原則として踵を覆うことができる靴を着用。スリッパ、サンダルは転倒リスクが高いので避ける。

Q.12訓練をスムーズに行う為の工夫はあるか?

A. 訓練対象者、訓練時間などのタイムテーブルを全スタッフで共有。訓練前にはトイレ誘導を行う、入浴時間(訓練時間)を前後させるなど、機能訓練指導員以外のスタッフとも連携が必要。

Q.13訓練誘導時に注意すべきポイントはあるか?

A. 歩行自立の可否、認知機能などを考慮する。転倒リスクがある場合は一人ずつ誘導する。認知機能の低下がある場合、『訓練』という言葉は使わず、『散歩』など別の言葉で誘導を試みる。誘導時は他スタッフの協力を得る。

Q.14機能訓練の効果は?

A. バイタルや血糖値の安定化、筋力・持久力・バランス・関節可動域の改善、疼痛軽減、認知症予防などに効果がある。

Q.15機能訓練対象者となるのはどのような利用者か?

A. Q14 の効果を求める方、運動が好きな方、ADL が低下してきた方、ADL を維持したい方など。詳細は別紙【加算 算定者基準】を参照。

Q.16超高齢者(90 歳以上)でも訓練対象者になりますか?

A. なる。負荷量に注意して行うことで維持、向上を目指していく。

Q.17セラバンドの長さの目安は?

A. 約1mに調整している。

Q.18棒はどのように作っていますか?

A. 細長く丸めた新聞紙をガムテープで巻いて作成。

Q.19緊急時の対応

A. 基本的には当事業所の緊急対応マニュアルに従う。①転倒した場合は痛みの有無や部位、頭部外傷の有無を確認。起立困難や受傷部位が強い痛みを伴い動かせない場合は骨折を疑い無理に動かさない。看護師がいる場合は対応依頼、いない場合は救急要請を行う。②意識消失した場合、皮膚をつねるなど痛み刺激を加え覚醒の有無を確認。①②どちらもバイタル測定する。

2訓練方法

Q.1立位、歩行など転倒リスクが伴う訓練を行う際の注意点は?

A. 転倒リスクを把握した上で 1 人ずつ行う、または他スタッフの協力を得る。

Q.2靴の着脱やセラバンドを巻くのは手伝った方がいいのか?

A. 利用者自身で行って頂くことを基本とし、出来ない部分のみ手伝う程度に留める。

Q.3しっかりと運動が出来ていない利用者の対応方法は?

A. 運動範囲が小さくても構わないので、まずは継続して動いて頂くことを目標にする。

Q.4集中力が持続しない利用者の対応方法は?

A. 席の配置を機能訓練指導員の近くにする、声掛けを繰り返す、大きな動きのある訓練を中心に行う。

Q.5やる気が低い(拒否のある)利用者の対応方法は?

A. 本人と目標を共有、家族や面識のある方の名前を出す、デイ内で仲が良い利用者と一緒に訓練を行う。様々な手段でも困難な場合は個別対応を行う。

Q.6元気があり、よく動ける利用者に対して運動の必要性はあるのか?

A. ある。現状の ADL を維持、向上していく為にも継続した運動は必要。

Q.7認知機能の低下を認める利用者の対応方法は?

A. まずは基本的な訓練を実施。模倣が難しい場合は動作訓練や個別対応を行う。

Q.8痛みがある利用者の対応方法は?

A. 痛みが出現する運動は無理に行わない。痛みがない運動はしっかりと行う。

Q.9車椅子を利用されている場合の対応方法は?

A. 原則、椅子に移乗してから訓練を行う。座位バランス不良など転倒リスクが高い場合は車椅子のまま訓練を行う。起立、移乗訓練などの動作訓練を入れると良い。

Q.10大腿骨や上腕骨などの骨折後の場合、訓練は行わない方がいいのか?

A. 医師から運動禁止の指示がなければ原則、訓練を行い受傷前の ADL 獲得を目指す。その際、注意点の有無について確認する。痛みがある場合は Q8 を参照。

Q.11長期(1 ヶ月以上)入院後の訓練で注意すべき点は?

A. 入院前の ADL と比較し低下している場合は訓練内容(目標)の変更を検討。ADL に変化がみられない場合は疲労感を確認しながら徐々に入院前と同様の負荷量に戻していく。

Q.12転倒予防に有効な訓練方法は?

A. 膝伸ばし、爪先上げ、タオルギャザー、足の指でじゃんけん、障害物歩行訓練が有効。

Q.13円背姿勢に有効な訓練方法は?

A. バンザイ、ボート漕ぎ、プッシュアップ、骨盤体操、もも上げ、お尻歩き、肩回しが有効。

Q.14バンザイで左右の肩の上がる高さが違う場合はどう対応したらいいのか?

A. 健側、非麻痺側を使用し上げてもらうようにする。

3グルーピング

Q.1基本的なグルーピングの方法は?

A. 目標別もしくは状態別にグルーピングする。実施時間はサービス提供時間内かつ機能訓練指導員が機能訓練に従事している時間内とする。

Q.2目標別に分ける方法とは?

A. 利用者ごとに目標を設定し、目標別にグルーピングする。

Q.3状態別に分ける方法とは?

A. 生活機能チェックシートの上5項目(食事~更衣)を低レベル、下6項目(入浴~掃除)を高レベルに分類する。

Q.4小集団で行う人数は?

A. 1グループ5人程度以下で設定する。但し、9名でも可能という回答を得た市も存在する。

Q.5訓練提供時間の目安は?

A. 目標達成に必要な時間。目安としては10~20分以上が望ましい。

Q.6訓練提供は連続して行わなければいけないのか?

A. 5分毎など分けて実施でも可能。その際、記録は提供時間通りに記載する、もしくはまとめた時間で記載すると良い。

Q.7上記以外の方法は?

A. 仲の良い利用者同士を同じグループにする。逆の場合は別のグループにする。体調に日内変動がある場合、体調の良い時間帯に訓練提供するよう調整する。

Q.8個別対応になる具体的な対象者は?

A. 認知機能の低下や集団での体操に対して拒否が強く、集団での訓練が困難な方。退院直後にて特に機能向上が必要な方。

Q.9認知症や拒否が強く個別対応も困難な方の対応方法は?

A. 利用者の席からトイレまでの距離を離して移動時に介助、誘導し歩行量を増やすことで歩行訓練と位置付ける。入浴時の更衣動作をなるべく自己で行って頂く声掛けをすることで更衣動作訓練と位置付ける。

4介助方法

Q.1杖の高さや着く位置の適切な方法は?

A. 高さは肘を約30度曲げて、爪先から外側15cm、前に15cmで軽く握れる位置。着く位置は斜め前方が基本だが、利用者の歩行レベルに応じて調整が必要。

Q.2歩行器の高さや持ち方の適切な方法は?

A. 歩行器を固定型歩行器と肘支持型歩行車に分類する。固定型歩行器の高さは、肘を軽く曲げ身体を楽に前傾した姿勢に合わせる。肘支持型歩行車の高さは、肘を90度曲げた時の肘の高さに合わせる。

Q.3T字杖が必要となる対象者は?(持ち手がTの形になっており杖の先端が1点のもの)

A. 独歩で転倒歴があり歩行時のふらつきが強い人。片手引きの介助があれば歩行可能な方。一定の歩行速度を維持できる。

Q.44点杖が必要となる対象者は?(杖の先端が4点のもの)

A. 片手引きの介助があればなんとか歩行可能な方。T字杖ではバランスが悪く転倒の危険性がある方。T字杖と比較し歩行速度は遅くなる。

Q.5固定型歩行器が必要となる対象者は?(体を囲むように4点で支持するもの)

A. 両手引きの介助があればなんとか歩行可能な方。4点杖ではバランスが悪く転倒の危険性がある方。4点杖と比較し歩行速度は遅くなる。

Q.6肘支持型歩行車が必要となる対象者は?(前腕で支え、体を囲むように4点で支持し4点ともに車輪がついているもの)

A. 主に施設内で使用。独歩可能も見守りが必要な方。杖ではバランスが悪く転倒の危険性がある方。一定の歩行速度を維持できる。

Q.7シルバーカーが必要となる対象者は?(両手で押して使用、荷物を入れる、座って休憩できるもの)

A. 屋外が見守り~自立で歩行可能な方、外出や買い物など距離の長い移動をする方。

Q.8車椅子の利用者は椅子に座って過ごしてもらった方がいいのか?

A. 原則、椅子に座ることが可能な方は椅子に座って過ごして頂く。理由として、車椅子では身体の重心が後方に偏ってしまい、起立や歩行が不安定になる傾向がある為。

Q.9車椅子や椅子から臀部が前方にずれてくる場合どう対応すればいいのか?

A. 深く腰掛けて頂く。靴を履いた状態で両足の裏全面を地面またはフットレストに接地。滑り止めシートを座面に敷く。

Q.10デイでの過ごし方、注意点

A. 利用者自身で出来ることは自身で行って頂くことを心がける。トイレや浴室へ誘導時、歩行可能な方は歩いて行く。車椅子の方は椅子・車椅子間の移乗を行う。トイレ、入浴時に行う動作一つ一つが機能訓練になる為、自身で出来ない部分のみ介助する。

Q.11移乗介助のポイントは?

A. 利用者のズボンを持ち引っ張る、持ち上げる、回すことはしない。介助者も一緒に体重移動することで腰への負担を軽減させ、利用者への不快感を軽減させる。

Q.12椅子からの立ち上がり介助のポイントは?

A. 椅子に浅く腰掛け足を手前に引く。お尻を上げる際、深くおじぎをしながら斜め上方へ誘導する。膝折れに注意。

Q.13歩行介助のポイントは?

A. 歩行補助具を使用される場合は積極的に活用する。転倒予防が第一になる為、ふらつきが強い側に立ち、脇の下を軽く支えておくとふらついた際も対応できる。

5ADL変動時の対応

Q.1ADLが変動していた場合、目標や訓練内容の変更は必要か?

A. 必要。ADLの向上、低下に関わらず状態が変動した場合は目標変更が必要。家族やケアマネージャーから情報収集をした上で書類関係を変更する。変更された目標に応じて訓練方法も変更する。

Q.2歩行能力の低下が出現してきた場合の対応は?

A. 独歩の方であれば杖やシルバーカーなど歩行補助具の使用を検討。既に歩行補助具を使用されている場合は、より安全性の高い補助具へ変更を検討。新たな補助具を使用し歩行訓練をすすめる。

Q.3一人での起立が困難になってきた場合の対応は?

A. 移動時の見守り~介助は必須にする。車椅子を検討。起立訓練や立位での訓練を増やす。

6書類作成

Q.1基本的な更新のタイミングは?

A. 作成日より3カ月以内。以降も3カ月ごとに更新必要。例外あり。

Q.2例外のパターンとは?

A. 介護保険証の認定期間がきれた場合、ケアプラン(当事業所の目標やサービス内容、利用回数増減など)の変更があった場合、ADLに明らかな変動があった場合は3カ月以内でも更新が必要。

Q.3区分変更にて要支援から要介護に変わった場合の対応方法は?

A. 要介護に変わった時点まで遡って書類の作成が必要。前回作成した計画書の再評価日は、新たな介護保険証の開始日以前の最終利用日で設定。

Q.4記録用紙の記載内容は?

A. 個別機能訓練の目標、目標を踏まえた訓練項目、実施日、実施時間、実施内容、実施時の様子、実施者がわかるように記録を残す。弊社ツール使用時は書類作成マニュアル参照。

Q.5実施内容は毎回同じでも良いのか?

A. 毎回同じ内容が続かないようにする。

Q.6自筆にてサイン困難な場合の対応方法は?

A. 代筆で可。その際、氏名の右横に『代』と記載し丸で囲う。契約書や通所介護計画書などのサインを家族や後見人が行っている場合、その方に記入して頂く方が良い。毎回頂くとなると手間もかかる為、代筆でも可能か要確認。